Moisesのチュートリアル

ギターパートを分離して、その中身をしっかり聴き取る方法

レコードに入っているギターパートの多くは、実はリードとリズムという2つのパートが重なったものです。そして、そのうち片方しか聴こえていないということがよくあります。それぞれを分離し、トーンを損なわずにテンポを落とし、両方弾けるようになるまで練習する手順をご紹介します。

ギターは2本、覚えるパートは1つ

すでにトラックを読み込んであったので、そのままソロのセクションへ飛びました。するとすぐ、2本のギターを同時に聴いていることに気づきました。ソロを担うリードギターと、その下で支えているリズムギターです。レコードに入っているギターパートはたいていこういう構造になっています。ただ、どちらか一方だけを覚えようとすると、2本のラインが絡み合っているせいで、どこで一方が終わり、もう一方が始まるのかが非常に分かりにくくなります。このときはリードギターが何を弾いているのかを知りたかったので、まずそちらを分離しました。

リードを分離して、コード表示にも助けてもらう

トラックを楽器ごとに分離しました。ドラムス、ベース、リズムギター、リードギターです。そのうえでリードギターだけを取り出し、いつもどおり腰を据えて、曲に身を委ねながら聴きました。聴いている間、アプリはリアルタイムでコードを解析し、画面の隅にハーモニーの動きを正確に表示してくれます。おかげで音を聴いているだけでなく、その音がどのコードの上で鳴っているのかまで分かりました。

トーンを損なわずにテンポを落とす

パートを分離したら、まず最初にすることはテンポを落とすことです。ゆっくり弾けるものは速くも弾けます。単純な話です。このトラックは128から130BPMあたりなので、その75%前後まで落としたいと考え、テンポコントロールで100BPMまで下げました。

これまで使ってきたほかのツールでは、テンポを落とすとノイズが混じったり、好みに合わないピッチの揺れが出たりしがちでした。ところがMoisesでは、遅くしたトラックがそのまま澄んだ状態を保ちます。妙な揺らぎもなく、細部が失われることもなく、ピッチも本来あるべき位置に固定されたままです。遅いテンポになったことで曲のグルーヴまで別の表情を見せ、その速度でようやく、リードギターとリズムギターが実際に弾いている一音一音まで聴き取れました。

セクションにタイムスタンプを任せる

Moisesにはセクションという機能があり、画面の右下に置かれています。クリックするとアプリがトラックを解析し、イントロ、バース、サビ、インストゥルメンタルのソロがどこにあるのかを正確に示してくれます。普通、曲を覚えるとなると、どこで各パートが始まるのかを書き留めるためだけに2、3回は聴き直すことになります。1分のところがバースで、2分のところがサビ、という具合です。それだけで練習時間をかなり食ってしまいます。セクションはその作業を自動でやってくれるので、インストゥルメンタルのソロをワンクリックでループさせ、メモを取る代わりにすぐ練習へ移れました。

カウントインをオンにする。とくにアウフタクトのフレーズで

ここで私がとても気に入っている機能がカウントインです。右上にある1・2・3・4の小さなアイコンがそれです。オンにしておくと、セクションをループさせるたびに、設定したテンポで4拍分のカウントが鳴ってから再生が始まります。とくに役立つのが、フレーズがアウフタクトから始まるときです。表拍のすぐ手前の拍ですね。再生ボタンを押してからあわててその入りを追いかけるのではなく、きれいな4拍のカウントをもらって、ぴったりのタイミングで入れます。

自信がつくまで、あらゆる速度で練習する

準備が整ったところで、まず100BPMでリードのラインを取り、それからバンドの音と一緒に弾いて、本当に身についているかを確かめました。そのラインがひととおり入ったら、同じようにリズムギターを分離し、何を弾いているのかはコード表示に教えてもらいました。Eマイナー、Bマイナー、Aマイナーです。そこからは一気に原曲の速度へ戻すのではなく、段階的にテンポを上げました。100から中間の115から117あたりへ、そこがしっかり固まってから、ようやく原曲と同じ130BPMまで戻しました。

自分を試す2つの方法

原曲のテンポで自信がついたところで、2通りの方法で自分を試しました。まずリズムギターをミュートし、ほかはすべて鳴らしたままにします。こうすると、録音されたリードギターを含むバンド全体が周りで鳴っている中で、リズムパートを自分で担うことになります。

次に逆をやりました。今度はリードギターをミュートします。追いかけるリードのラインがなくなるので、ディスクに入っている内容をなぞるのではなく、リズムギターとバンドの上で少し即興を入れられました。ここが一番気に入っている部分です。片方をミュートすれば採譜の練習になり、もう片方をミュートすれば本物のソロになります。

行き詰まったパートは分離する

私が練習中の曲からギターパートを分離するときの手順は、以上のとおりです。リズムパートを一音ずつ正確に合わせ込むときにも、分離したトラックを足がかりに自分なりの即興を組み立てるときにも使えます。次にギターパートで行き詰まったときは、ミックス全体をループさせたまま分かる日を待つのではなく、分解してみてください。

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Ruben Wan

Ruben Wanは、パナマ生まれでロサンゼルスを拠点とするアーティスト、ギタリスト、プロデューサーであり、表現力豊かな演奏、オリジナル楽曲、そしてギターに対する独自のアプローチで知られています。 ミュージシャンズインスティテュート(GIT)を卒業し、南カリフォルニア大学で修士号を取得した彼の活動は、レコーディング、ライブパフォーマンス、そして主要なポップアーティストのセッション演奏に及び、音楽やソーシャルメディアを通じて世界中のリスナーに支持され、ストリーミング再生回数は数百万回に上ります。 アーティストとしての活動に加え、Rubenは経験豊富な講師でもあり、世界中でマスタークラスやワークショップを開催。また、主要な音楽ブランドとコラボレーションを行い、Guitar WorldやGuitar.comなどの主要誌でも特集されています。