ずっと避けていたリック
しばらくの間、ある曲のギターソロを覚えたいと思いながら、どうしても手が出せずにいました。ソロの終わりに出てくるリックが速すぎて、しかも少しぼやけて聞こえたのです。ギタートラックはたいてい、ほかの楽器と一緒にミックスされています。そのため、特定の音や細かいニュアンスを聞き取るのが難しくなります。
その曲もまさにそうで、ソロは手つかずのまま残りました。数か月おきにトラックを開き、毎回同じ4小節で詰まり、そのままタブを閉じる。その繰り返しです。
曲を分解したら、すべてが変わった
しばらくして、やり方を変えることにしました。これまで何度もそうしてきたように当てずっぽうで進めるのをやめ、曲そのものを分解して、何が起きているのかを正確に聞き取ることにしたのです。ソロをループさせて、いつか分かる日が来るのを待つのではありません。一つひとつ切り分けて、混乱のもとになっているパートをミュートし、そのリックを理解する助けになるものだけを残す。他人のソロを覚えるというのは、結局そういうことです。自分の楽器の上で組み立て直せるくらい、はっきりと聞き取ること。
ギターを分離して、難所へ直行する
曲をまるごとMoisesに放り込むと、ステム分離のおかげでトラック内の楽器が一つずつ手元にそろいました。ベース、ドラムス、キー、ギター。あとはリードギターだけを残して、ほかをいったん脇に置くだけです。
ここまで細かく操作できれば、練習したい箇所までたどり着くのに曲を頭から流す必要はありません。Moisesにはセクションという機能があり、目的の場所へ直行できます。そこでソロまで一気に飛び、そのセクションだけをループさせて、解読しようとしていた数小節に集中しました。
余裕を持って弾けるまでテンポを落とす
リードギターを分離し、ソロのセクションをループさせたら、次はテンポを落とす番です。スマートメトロノームで96BPM前後まで下げました。カウントインもオンにしました。私はいつも1拍目でつまずくので、4拍分の予備があればループのたびにきれいに入れます。
最後に、いま自分がどのコードの上で弾いているのかをその場で知りたかったので、そのセクションのコードも表示しました。これで耳だけを頼りに組み立てる部分はなくなりました。
元のテンポに戻す
遅いテンポで何周かして一音ずつ確かめたら、速度を戻すときです。画面を一度タップするだけでテンポは元の104BPMに戻り、そこからフルスピードでリックに挑みました。
数分前には不可能に思えた箇所が、ふっと指の下に落ちてくる瞬間があります。まるで、手のほうが先に準備を終えて、残りの自分を待っていたかのように。目指しているのはその瞬間です。リックをどうにか弾き切ることではなく、自然に出てくるところまで持っていくことです。
ここからが本番
曲に手応えを感じられるようになったところで、分離したギタートラックをミュートし、残りのバンドと一緒に弾きました。ここが面白いところで、もう一人で練習しているわけではありません。ベース、ギター、ピアノとリアルタイムでやり取りしている状態です。スタジオやステージでその人たちと向き合っているのと変わりません。リックを単体で覚えるのと、それを実際の曲のポケットに収めて生かすのとでは、まったく別の技術が必要になります。
次はお客様の番です
手順はこれだけです。つまずいている箇所を分離し、意味が分かるまでテンポを落とし、手がついてくるまでループさせ、そのうえでバンドと一緒に弾く。私にはこれが効きました。きっとお客様にも効くはずです。次にギターソロや難しいリックで行き詰まったときは、私のように何か月も放置しないでください。分解してしまいましょう。
ご自分のトラックでお試しください。Moisesを無料で試す。
